表札職人二代目深澤候山が、表札の掛け方・開運・縁起・表札の由来・技術など手作り銘木表札について語り尽くします。

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1:文字について

これは感性の問題だからそれぞれ好きな筆跡や嫌いな筆跡があって当然。
でも基本的に表札に使う文字「ゴツく無い事」が大事。あまり太い文字は嫌い(あ、私の感性ね(^^;)

書道の文字とは違うし、看板の文字とも違うからね
そうそう、最近の風潮で気に入らない点を挙げておこう。
学校で教わった文字が「正しい文字」と誤解してる人が多すぎ。
教科書漢字と言って、微妙に違う。漢字の書き取りテストで点を 附けられてしまうのでしょうがない
かもしれないけどね。
例えば「木」。これの縦棒がハネてるハネてないと論じる人も いるけど、ハネないのは教科書漢字。
書道・表札には古来(いつ頃?(^^;) からのハネる文字を使う。
あ、このフォントじゃハネてねぇなぁ・・・・(笑)
例えば「日」。中の横棒が外にくっつくかどうかで○か×になるね。でも、書道・表札ではくっ付けない。

文字についてはこれくらいにして、本題に入ろう。

2:沈み彫りについて

さて、表札屋の基本は「書き表札」ではなく「沈み彫り」ってことを知ってるかな?
ま、それはさておき「彫り方」を薀蓄してみよう。

沈み彫りは印刀による「薬研彫」が基本。つーか他は邪道。最近はサンドブラストで彫ってしまうのが
多く「薬研彫」ができる職人は少なくなってきた。
まず、文字の左側に刀を入れ切り進む。ひっくり返して反対側に刀を入れ切り進み、出会ったところで
彫り上がり。簡単?つまり「Vの字」のような断面になる。
この彫り方の良いところは、書き順がそのまま立体的に残ること。実に美しい・・・・写真を出そうと
思ったがクローズアップで撮らなきゃ ならないので面倒だから止め!
ただ、言いたいことは一つ。「薬研彫」ができない表札屋は二流!

3:浮き彫りについて

これが表札屋の生命線。これで儲けさせて・・・あんまし儲かってない(^^;
でもね、この彫りが上手いか下手かは超重要。最近、素人がサンドブラストの機械を買って「職人まがい」をやってる話を聞くけど、品物見ると笑っちゃうね。
まず、基本的に彫り底はフラット(平ら)であること。簡単そうに思える?
これが難しいんです。一枚の木にも硬い部分や柔らかい部分もあり、木目が柾目や板目が入り組んでるものもあります。その木の特性を無視して(言葉が悪いか(^^;)まっ平らに彫るんです。
もちろんサンドブラストを使うんだけど、サンドの番数は秘密。空気圧も秘密。だって商売なんだモン。
で、文字の輪郭もクッキリと同じ深さで。これも簡単そうで難しい。だって、画数の少ない文字はいいけど、多い文字なんて文字の中がね・・例えば「大」なんてのは簡単。「藤」なんかは中の空間が彫りにくい。
サンドが同じ圧力で入っていかない。さてどうする?・・秘密(笑)

※この彫りの具合を見て「この表札屋は上手い・下手」を決めてもいいと思う。

4:塗装について

え?白木じゃダメかって?ダメです。
防水にならないでしょう。夜露に濡れたり雨が降ったりですもの。おまけに見た目がね。
素人表札屋は「白木が一番です」なんて言うけどホントは塗装できないって説が有力(笑)

塗り上がりの文字は「黒い漆」を塗ったようでなければダメ。しかも、ハケで塗った跡がついてるようじゃ
美しくない。字の真ん中がこんもりと盛り上って、しかも鏡のようになってないとね。
塗り方は材料の段階で2,3度下塗りがしてある。彫ってから2回。乾かして、最後に仕上げを・・・・
塗料の名前はもちろん秘密(笑)

・・・と、上の文章は弊社の通常塗装なんだけど・・・
艶消し仕上げってのもある。これは文字通り艶消し←全然説明になってない(^^;まぁ、艶が全く無くなる
事で不思議なことに高級感が増すんですな。
といっても塗りの手順は違わないんだけど、仕上げの塗料を変える。文字の色は黒いんだけど何処
かしら白濁している。けど、汚くなってるわけじゃなく・・・高級感があるんですな、不思議。
他の部分も全く艶が無い。にもかかわらず、ちゃんと塗装されてるのが判る。
最近増えてきたね、この艶消し仕上げ。

さてさて、表札における技術ってのは以上のことが完璧にできてるかどうか。
もちろん消費者が「これでいい」と言えばそれまでだけど、苦労して作るんだから少しは気にして
欲しいね。

何よりもクレームを付けるとき少し考えて欲しい。素人判断で「これが・あれが」は、職人としては気に
入らない。もちろん最後はお客様の言う通りに作るけどね。


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